産痛緩和(無痛分娩)painless_childbirth

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産痛緩和(無痛分娩)

『陣痛が怖い』、『前回のお産が痛すぎて』と出産に不安を抱えている妊婦さんもいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方のお力に少しでもなれるよう、当院では、産痛緩和処置を行っております。

当院での産痛緩和の方法

産痛緩和の方法としては、

  • 硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔(無痛分娩)
  • 鎮痛薬を用いた筋肉注射
  • 鎮痛薬を用いた点滴
分娩室

上記の3種類があります。 効果としては、3)→2)→1)と強くなります。
1)の方法に関して一般的には、“無痛分娩”と呼ばれていますが、分娩時の痛みが完全に無くなるわけではありません。陣痛による痛みを緩和しつつ、腹部の張りの感覚だけは残していく方法となります。
2)、3)に関しては鎮痛メインというよりは緊張を和らげることでお産がスムーズに進むように促していくものとなりますので、一般的に言われている無痛分娩とは性質が異なります。投与のタイミングによっては、効果が感じられにくい場合もありますのでご注意ください。
産痛緩和の効果は、種類によってそれぞれ利点・欠点がありますので医師・スタッフまでご相談ください。

硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔(無痛分娩)

腰のあたりから注射をして、神経の近くに局所麻酔薬を投与することで産痛緩和を図る方法です。麻酔科専門医が施行・管理していきます。
可能な限り陣痛による痛みは緩和しつつ、いきむタイミングがご自身でもわかりやすくなるよう、お腹が張っている感覚は残して管理をしていきます。硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔を用いた産痛緩和処置に関しては、安全上の観点から、行っていく時間帯や対象妊婦さんを限定させていただいておりますのでご了承ください。

施行条件
  • 妊娠38週以降
  • 経産婦
  • 分娩時BMI 30以下
  • 胎児推定体重2500g以上
  • 原則分娩誘発による計画分娩
  • 当院規定の産痛緩和施行可能日(平日の日中)

日中の開始であっても、夜間帯(17:00〜翌9:00)の分娩となる場合は途中から麻酔を止めての分娩となります。安全を第一とし、分娩進行中の痛みを和らげることにより、最後にいきめる体力と気力を残すことも目的の一つとしておりますので、ご理解をお願いいたします。

分娩費用

産痛緩和の費用は、通常の分娩費用に加えて、12万円となります。ただし、夜間帯(17:00〜翌9:00)での分娩のため産痛緩和中断となった方は、通常の産痛緩和費用から2万円を減額とさせていただいております。
*前日の入院費、誘発分娩費用が別途かかります

手続き

ご希望の方は、出産予定日決定後〜妊娠28週までに『硬膜外産痛緩和(無痛分娩)希望確認書』をご提出いただき、麻酔外来(自費 3,300円)の予約をお取りください。麻酔科医より診察、説明を行っていきます。

麻酔外来受診後の、妊娠30週以降から希望受付を開始いたします。その際に麻酔同意書の提出をお願いいたします(提出がない場合は受付できません)。希望受付順に応じて仮予約またはキャンセル枠が決定していきます。また、同意書を提出した段階で、既に予約枠が埋まっている場合もあります。その場合は、キャンセル枠としての受付となりますのでご了承ください。なお、基本的には受け付けてはおりませんが、麻酔科外来を受診せず、緊急で産痛緩和を希望される場合は、たとえ途中で産痛緩和を中断した場合でも15万円とさせていただきます。麻酔に関する合併症など十分ご理解いただいた上で産痛緩和の処置をさせていただきたいと考えております。可能な限り麻酔外来の受診をお願いいたします。

*麻酔外来予約は原則来院時にお取りしますが、里帰り分娩の方に限り、お電話でのご予約を受け付けております。

実際の麻酔方法

図1のようにベッドの上で横向き、あるいは座る体制をとって、腰を丸めていきます。 その後、腰のあたりの背骨の間から注射をし、神経の近くにチューブを通して局所麻酔薬を注入する方法が硬膜外麻酔(図2)、より神経の近くに直接針から局所麻酔薬を注入する方法が脊髄くも膜下麻酔(図3)です。硬膜外麻酔はチューブが入っている状態になりますので、追加投与が可能となりますが、脊髄くも膜下麻酔は1回のみの投薬となります。

図1

無痛分娩

図2

図2

図3

図3

開始するタイミング

陣痛が強くなり始め、産婦さんが痛みをとってほしいとリクエストがあった時となります。ただし、陣痛が後戻りしないようになっていることが条件となります。

メリット

最大のメリットはなんといっても陣痛が軽くなることです。一時的にリラックスすることでお産の進行がスムーズになる場合もあります。疲労の軽減、産後の早期回復が期待できます。

デメリット

分娩の進行に影響すること

  • 分娩時間が長くなることがあります。
  • 点滴による陣痛促進剤を使う可能性が高くなります。
  • 鉗子分娩や吸引分娩の可能性が高くなります。

*帝王切開率に関しては影響しないと言われています。

麻酔により起こりうること

  • 一般的に起こりうるもの

かゆみ、下半身に力が入りにくい、血圧低下、発熱、背部痛、頭痛
悪心・嘔吐、尿意低下(排尿困難)、一過性の神経障害(しびれ感、違和感)
*下線部のものは麻酔に限らず、出産の影響で出現する場合もあります

  • 稀だが、重篤なもの

アナフィラキシー、カテーテル遺残、局所麻酔薬中毒
全・高位脊髄くも膜下麻酔(広範囲への麻酔効果)、硬膜外膿瘍・血腫、神経障害

赤ちゃんへの影響

現在主流となっているような硬膜外鎮痛法では赤ちゃんへの悪影響をほとんど認めていません。硬膜外に投与される医療用麻薬が通常より多いと生まれてきた赤ちゃんの呼吸が一時的に弱くなる可能性がありますが、そのような影響がないよう、担当医は細心の注意を払って麻酔を行っております。

筋肉注射

注射

肩、あるいはお尻に鎮痛薬の注射を行うことで、痛みともに緊張を和らげていくことができます。鎮痛効果としては上記の硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔に比べると軽度〜中等度であり、鎮痛というよりは緊張を和らげることでお産の進行を促していくイメージのものとなります。
こちらは、初産婦さんでも希望があれば行っていくことは可能です。
稀に、注射部の発赤や痒みなどの局所の症状が出たり、嘔気を感じることがありますが、頻度は高くありません。注意点として、血圧が高い方など医学的理由で使用できないこともありますのでご了承ください。
分娩直前の使用は赤ちゃんの呼吸に影響が出ることもありますので、基本的には1回のみ(自費診療 7,700円税込/回)の投与となります。
希望される方は、入院時に担当医師・スタッフまでお問い合わせください。

点滴

点滴

妊娠中でも安全に使用できるアセトアミノフェンの点滴による鎮痛方法です。効果としては軽度のものとなりますが、上記筋肉注射と併用することで相乗効果が期待できます。こちらも経産婦さん初産婦さんに関わらず行っていくことが可能です。また、一定の時間が経てば再投与可能となりますが、注意点としては、解熱作用もあるため、発熱をマスクしてしまうことが管理上好ましくない場合には使用できません。
こちらも自費診療 3,300円税込/回となります。
希望される方は、入院時に担当医師・スタッフまでお問い合わせください。

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